2014年03月25日
みなさんこんにちは。
今回からテーマが変わりまして、“エアー設備の圧力損失”について考えるとなります。
第1回目の話題はメイン配管の圧力損失について考えてみます。
コンプレッサーの省エネ手法で今では“吐出圧力の低圧化”は代表的な手法です。
しかしながら、この吐出圧力を低圧化されているコンプレッサーはまだまだ少ないのが現状と思われています。何故なんでしょうか・・・・??
一番の理由は「吐出圧力を下げると機器が異常停止してしまう」という理由からだと思われます。
全くその通りで、流体の特徴として配管内を流れる流体は必ず圧力損失を発生させるという大前提があります。よって省エネのためにコンプレッサーの吐出圧力を低下させて、その圧力損失によって機器が異常停止してしまったら全く意味がなくなってしまうのです。
弊社にて圧力測定を行ったあるラインの圧力推移が以下のようになります。
明らかにメイン配管の口径が小さいため、コンプレッサー吐出とそれぞれの末端が使用流量に伴い圧力損失(圧力差)が非常に大きくなっているのがわかります。この状態で吐出圧力を低下させてしまったら、間違いなく機器は異常停止してしまいます。このような場合は適正なメイン配管への増径とともに吐出圧力の低圧化をご提案致します。
余談ではありますが仮にこのような状況で使用していて設備が間違なく稼働しているのであれば、極端なことですが圧力損失を改善すれば吐出圧力350kpaでも問題なく(実際には無理です)省エネ効果も現状から約21%出すことが可能となります。
我々が工場でよく見かける配管サイズは特にコンプレッサーが1台のみの設置の場合、コンプレッサーの吐出配管口径と同じ配管口径で工場内に配管を敷設している場合をよく見かけます。
エアー配管は機器から末端までの配管が結構長くなります。
例えば37kwのコンプレッサーでこのような場合、末端でどのくらい圧力損失があるかを机上ですが計算してみました。
もちろんこの時の配管長は直管のみの長さです。
実際は曲がりやバルブ等のさらに損失となる機器が多いのでそれらを換算するとかなりの配管長となります。省エネの目安として、“100mあたりの圧力損失を10Kpa以内に抑える”と言われていますが、機器吐出口径と同口径で配管を敷設する場合は距離を非常に短くしないと圧力損失が大きくなってしまいます。弊社が“配管吐出口径を機器の1~2ランク上の配管口径を選定してください”とご提案させていただくのはこの為だからです。
いかがでしたか。コンプレッサー省エネのための手法の1つ吐出圧力の低圧化を行うために必要な検討事項の1番目として、メイン配管の圧力損失についてお話ししました。ぜひ、今一度皆様のコンプレッサー能力とメイン配管の口径をご確認ください。
次回は機器周辺でよく見かけるものにスポットをあててお話したいと思います。
2013年08月26日
最初に、先日(8/23.24)行われました弊社スマートファクトリーショールームの3周年イベントにたくさんの方がお越しいただきました事をこの場を借りてお礼申し上げます。
前回まで、吸気温度を低下させるとなぜ省エネにつながるかをお話ししてきました。
今回は実際の機器を使用しましてどのくらい消費電力が低下してくるかを実験してみました。
先日のイベントにも展示させていただきました吸気冷却の実験装置となります。
上記のような実験装置で一定時間運転させて、吸気温度、流量、電力をそれぞれ連続記録して変化の推移をグラフ化してみました。
現在のコンプレッサーの吸込み限界温度は約40℃ぐらいといわれています。今回はあくまで実験ですのでかなり高い温度域まで昇温していますが、あくまで実験値ということでご了承ください。
このグラフから40℃及び20℃近辺の電力値を比較すると約2.5%程の電力削減が確認できました。
若干ではありますが吸気温度を低下させると、今までのお話ししてきた様に消費電力が削減できることが実験値より確認できます。
一般的な数値では“吸込み温度を10℃低下させると、2%の省エネ効果がある”と言われています。この考え方からいくと今回は20%低下させているので4%程効果が出るはずなのに2.5%程しか効果が出ていない要因は以下の様な事だと推定しています。
(1) この省エネ効果の数値はあくまでもコンプレッサー単体の数値だが、
今回の電力測定はドライヤー等を加味した総合電力となっている事
(2) インバーター機にて実験を行っている事
(3) 今回の実験では湿度の変化を考慮に入れていない事
などと推測されますが確実に温度変化に伴い消費電力が低下している事が分かります。
ここで少し違った考え方はできないでしょうか。今年は非常に暑く、この暑さの影響でコンプレッサーが異常停止してしまったお客様はいないでしょうか。弊社にも数件の問い合わせがありました。
今回の実験装置の様に異常で停止してしまうコンプレッサーの吸込み口に、スポットエアコンを使用することによって吸気冷却をしてみませんか?
吸気冷却を行う事により消費電力が低下します。しかし、冷却用にも電力を使用するため、その省エネ効果が極小となりますが、稼働環境から考えると吸込み温度が改善され、不慮のトラブルがなくなるという考え方はできないでしょうか。
余分なトラブルやメンテナンスを削減させることも、ある意味間接的な省エネルギーといえるのではないでしょうか。
いかがでしたか?
“吸気冷却について考える”でしたが、吸気冷却による省エネ、吸気による機器のトラブルでお困りのお客様是非、弊社担当者までご一報願います。
次回からは蒸気の放熱のお話しとなります。
お楽しみに。
2013年07月25日
急激に暑くなりましたが、体調いかがでしょうか。
第2回目は“コンプレッサーの吸気冷却”という事で前回お話しした空気密度の違いをコンプレッサーで実験をしてみました。
始めにお伝えしておきますが、あくまでも実験となりますのでそのあたりを考慮して参照願います。
いきなりですがPRを少し・・・
おかげ様で当スマートファクトリーショールームは来月、3周年を迎えます。来る8月23日(金)・24日(土)に恒例のイベントを計画しております。
その為、リニューアルした設備を再度皆様にご提供させて頂く様、現在展示品の改修工事を行っており、今回の実験装置も当日のイベントまでには皆様にご紹介(自慢)できるように準備させて頂いております。皆様、お時間があれば是非参加の程、よろしくお願い致します。
と、いう事で新たに導入しました、吸気加温装置及び冷却装置をご紹介します。
現在ショールーム内は、ほぼ28℃~30℃ぐらいですが、熱コーナーの展示品のボイラーを使用しまして、吸気温度を50℃以上(真夏の機械室)まで加温します。
また、“吸気冷却装置”ただのスポットエアコンですが、20℃以下(冬場の外気温)を再現します。
この時、吸気温度の変化がどのくらい風量変化となるかを流量計で確認してみました。
はじめはスポットエアコンで吸気温度を約20℃に保ってから実験をスタートします。
蒸気を使用して温度を上昇させていき、また元の状態まで戻しました。吸気の温度が変化しますので、それに伴って吐出空気量も徐々にですが減少していき、また元の状態に戻ることが分かります。実験では温度差約45℃の違いで吐出空気量が約10%変化したのが分かります。このように空気の温度が違うと密度が変化しコンプレッサーでは吐出量が変化することが分かりました。
いかがでしたか。
前回お話ししましたが、空気には重さがあり、暖かい空気は軽く、冷たい空気は重くなります。その為コンプレッサーもその吸気温度によって風量が変化してきます。
つまりこの時期、感覚的にも外気温度は暑いですが、ほとんどの機械室は外気温度と比較してさらに暑くなっているはずです。そんな雰囲気を吸い込めば吐出量は減少してしまいます。
また冬場も同様に屋外は寒いですが、コンプレッサーにしてみれば屋外温度は機械室内と比較して快適な温度となりますので、換気設備の見直しや外気を直接吸入できるようにすることによって、より多くの圧縮空気を送気する事ができます。
さて、この様に吸気温度によってコンプレッサーの風量が変化してくる事は理解して頂けたと思いますので、次回最終回は、この事がどの様なエネルギーの変化となるかを題材にして締めくくりたいと思います。
お楽しみに。
2013年06月25日
今回からはテーマが変わりまして“コンプレッサーの吸気冷却について考える”を全3回にわたってお送りします。
今月も非常に暑くなってきて、梅雨はまだ明けていませんがいよいよ夏本番が迫ってきました。コンプレッサーは夏場にトラブルが多くなる機械の1つですが、皆様のコンプレッサーはいかがでしょうか。
コンプレッサーは大気を圧縮(一般的には0.7MpaG程度)して送気する機械ですが、これからの季節はその大気温度(吸込み温度)がどんどん上昇していきます。大気(吸込み空気)の条件が変わるという事は当然コンプレッサーの運転状況も変化していきます。
例えるなら、人間も環境温度が暑くなればなるほど、仕事の効率が低下しますし、体調を崩したりします。同時に機械も一緒の事で運転の効率が低下したり、故障などの不具合を起こします。故障などのトラブルはまた別の機会でお話ししたいと思いますので今回は大気温度(吸込み温度)の上昇がエネルギーの観点から見てどの様に機械に影響するかをお話ししたいと思います。
今回はまず結論からお話しします。以下の様なグラフがあります。
(クリックにて拡大)
一言でいうと、“コンプレッサーは吸込み温度が低い方が効率が良い”という事です。
この表から分かるのは、理論上、同じ圧縮空気を作るのであれば20度の空気を吸い込むのと30度の空気を吸い込むのではその動力比は4%程変わっていくる事がグラフから分かります。
コンプレッサーが設置されている機械室こんな雰囲気になっていませんか?
(クリックにて拡大)
換気設備を今一度見直すことによって、コンプレッサーの吸込み温度を低下させることもでき、機械の不具合も減少させることもできます。
ここで今一度、空気の性質を考えてみましょう。
(クリックにて拡大)
3番の性質はいわゆる圧縮空気中に含まれるドレン量の問題に関係してきますが、このお話もまた別の機会にお話しするとして今回は1番について。
“空気には重さがあります”
熱い空気と冷たい空気とでは重さが異なるために例のように高いところと低いところの別々の場所に分かれてしまいます。要するに空気温度(吸込み温度)が低くなれば空気は重くなる。いわゆる空気密度【kg/m3】は温度が低くなれば大きくなるという事です。
コンプレッサーで考えてみると、大気温度(吸込み温度)が低くなると、その大気の密度が暖かい空気に比べて大きくなります。容積式のコンプレッサーの場合、温度を低下しても、吸込み空気量や圧縮に必要な電力は変化しませんが、空気密度の増加によりコンプレッサー出側では空気の体積は増加します。このため標準空気体積当たりでは電力量は低減されて、省エネルギーにつながるというわけです。
今回は机上の計算結果からどのくらい効果が出るかをお話ししましたが次回からは実際に弊社ショールームのコンプレッサーを使用して実際にどのような効果が出るかを実験してみたいと思います。
最後にこの場を借りてお礼と今後のPRをさせて頂きます。
本日(6/25)は弊社ショールームの定期セミナーに多数の方の参加を頂きました事をお礼申し上げます。
また、この8月でこのショールームも何とか3周年を迎える事となります。
つきましてはこの2年間に来場頂いたお客様からいろいろなご意見を頂きましたので、これらを反映させるために展示設備に大改修を検討しております。
今回からお話ししていきますコンプレッサーの給気冷却についても詳細はまだ秘密ですが、実際に効果を体感しその効果が実感できるように検討しています。
皆様方におかれましては、詳細が決定次第、近日中にはご案内できるように段取りしております。
今後も“見て、触って、体感できる”をテーマに一層の努力とメルマガでの情報発信を心掛けていきますので今後とも何卒よろしくお願い致します。
2013年05月27日
前回はブロワーの種類を中心とした基礎的なところをお話ししました。
ブロワーとコンプレッサーの一番の違いはやはりその吐出圧力となります。よってその特性に注意しないとメリットになったりデメリットになったりしてしまいます。
今回は一般的によく使用されている水滴や切粉を飛ばしているブロー工程に照準をあてて説明します。
ブロー工程で欠かせない“ブロー用エアー”、このエアーで一番要求される性能はなんでしょう?それはやはり衝突力となります。
こんな比較実験をしてみました。
どうですか。製品の水滴や切粉を除去するのに必要な(ブロワー)エアーの条件は“ワークにあたる(衝突する)そのエアーの力”、つまり機械から吐出される吐出圧力ではなく衝突力なのです。
では、実験結果を以下の表にまとめてみました。
(クリックにて拡大)
近年の製造業は“省エネルギー”の時代です。同じ衝突力ならエネルギー費は少ない方が原単価を低くできます。概算ではありますが効果を以下に試算してみます。
この条件で1日12時間、年間250日間運転、電気単価15円/kwの時
ブロワー: 3.7kw×15円/kw×12H×250日=166,500円/年
コンプレッサー:7.8kw×15円/kw×12H×250日=351,000円/年
351,000円/年-166,500円/年=184,500円/年 ・・・
という様に同じ効果を得るのにブロワーとコンプレッサーではエネルギー費が全く違う結果となり、大きな省エネ効果を得ることができます。
次にすべてにブロー用設備を全部ブロワーに置き換えれば良いかというと、そうではありません。
どんな機械でも一長一短はあります。それぞれの長所・短所をまとめてみました。
(クリックにて拡大)
このように機械の特性を理解してそれぞれの適正にあった機器を導入する事が重要となります。
また業種や使用場所によっても使用できる場合とできない場合があります。
【ブロワーが適している場所、製品】
・衛生上の問題のない製品の仕上げ工程で水(湯)洗後の乾燥工程でブローエア
ーを使用する工程等(機械部品洗浄や通箱洗浄の乾燥等・・・)
・部品工場などでの切削加工後、次工程に行く前の切粉や切削油等の
吹き飛ばし工程
【ブロワーに不向きの場所、製品】
・食品工場などの製品に直接あたる工程(埃などが除去できないため)
・クリーンルーム(工程)でのブロー工程
・塗装工程での前処理工程(静電気を帯び埃の付着を誘発する)
とブロワーももちろん万能ではありませんので、いづれにしても導入にあたっては検討が必要となります。
最後に音の問題に触れて、まとめとします。
音の問題を取り上げた理由は、お客様でブロワーに切り替えたが音がうるさいのでコンプレッサーエアーに戻した方が良いのではという声を聞いたからです。
ブロワー導入後騒音の問題になるのは大きく分けて2つです。
1つ目・・・比較表から分かるように機械本体から発する運転音の問題
2つ目・・・ホース等の吹き出し出口から発する音の問題です。
ブロワーとコンプレッサーは原理的には似ていますが吐出エアーや機械本体は全く別の製品となります。この様な理由からも事前に機械の性能を知ることも重要な事となります。
それでは今回のまとめです。
(1) ブロー用のエアーを使用する工程ではブロワーとコンプレッサーの
2種類ある。
(2) 同じ仕事は出来てもエアーの品質(清浄度)やエネルギー費が違う為、
導入にあたっては十分な検討が必要となります。
(3) ブロワーの導入が当てはまればコンプレッサーのエアーを使用するのと
比較すると大きな省エネ効果を得られる。
適材適所という言葉が有りますが、まさに様々な機械の特徴を十分に理解して上手に省エネ活動につなげてみてはいかがでしょうか。
2回に分けて工場設備におけるブロワーとエアーの使い分けについて紹介しましたが書面上の数値だけでは中々実感が湧かないと思います。今回の説明で使用しました実機は弊社スマートファクトリーショールームでいつでも見ることができます。
実際の導入前にその効果や実働状態を体験してみてはいかがでしょうか。
次回からは“コンプレッサー給気(吸込み)温度について考える”をお送り致します。

HIC豊安工業株式会社のブログです。